装丁について(1) ※個人で制作した二次創作BL小説同人誌の記録です。内容についてご理解いただける方向けの記事になっています。別サイトから再録しています。 虚の愛人 2025年3月16日発行 A5変型 / 64P 表紙:NPホワイト200kg 本文:淡クリームキンマリ90kg 加工:クリアPP、変型断裁(天地A5・左右B6) 本文書体:リュウミン 使用ツール:Illustrator、Photoshop、InDesign 印刷:日光企画 様 シンプルだけどひと癖ある同人誌にしたくて作りました。 当初はB6正方形で考えていました。話の内容に対して可愛らしすぎるのと、そちらのサイズは以前やったことがあったので、せっかくならやったことがないもの……と思い、細長い短冊のような形をやってみたかったので採用しました。 高さがA5と同じ、幅がB6と同じというサイズ感です。 完全に独自のサイズにしてしまうと「慣れない、読みにくい」と思われる可能性もあるのを避けたかったので、定型同士の組み合わせにしました。 結果、文章一段あたりのブロックの高さも幅もちょうど良く仕上がったと思っています。同人誌の定番から外れすぎない、A5の2段組本と同じ感覚で読めるように出来たと思います。 本文書体はリュウミンです。クラシカルでないもの、温かみが少ないもの、現代らしいすっきりとしたクリアな印象のフォントにしたくて選びました。本文の内容と合わせると、クールで少し冷たそうな都会的な紙面に見えて良かったです。 以前に合同誌の印刷を依頼したことがあり、印刷や製本などとても綺麗だったのと、今回やりたかった「変型断裁でクリアPP」が選択しやすかったので、印刷は日光企画さんにお願いしました。 変型本の場合の原稿の作り方について問い合わせをした際も、左右ページでの原稿の作り方(余白の取り方)の違いをわかりやすく表現してくださって、大変助かりました。 データはA5で作るのか、もしくは仕上がりのサイズで入稿して中央から原稿を取るような形になるのか? とお伺いして「原稿はA5で作ってください」とのことだったので、入稿データはA5で作成しました。 加工としてはシンプルだと思うのですが、断ち切られる部分については自分でサイズを測ってテンプレを設定するしかないため、それが間違っていないかイベント当日スペースに行って箱を開けるまではどきどきでした。 話の内容から、暗色を全面にたくさん使いたかったので、今回はクリアPPをかけました。普段は特殊紙を使いがちで、質感を残したいから……ということでPPをかけないことが多かった(=剥がれてしまう場合などを考慮しないといけない場面もあった)のですが、今回は思いっきり色を乗せられたのが嬉しかったです。 色そのものは暗い表紙でも、表面フラットで、都会的なクリアで透き通った印象、でも尖ったようなスタイリッシュさがある、艶っぽい生々しい感じ……を出したくて、マットPPではなくクリアPPを選択していました。実際の本を手で持つと、ぬるぬると表面が動くように光るのが理想通りでした。 ▼下書きとかラフ案とか ↑ B6正方形にしようか…と思っていた時のラフ(サイズ感が可愛らしすぎると思ったのでボツ) ▼余談 表紙の細い緩やかなカーブの線は「煙草の煙」、黄色の半月型の模様は「背中や腰に残った爪痕」のイメージでした。作中では煙草を吸うシーンは登場しないのですが、この話の坊は吸いそうだな……と思いました。 #装丁 #くりつる 2025/09/17(Wed) favorite いいね
※個人で制作した二次創作BL小説同人誌の記録です。内容についてご理解いただける方向けの記事になっています。別サイトから再録しています。
虚の愛人
2025年3月16日発行
A5変型 / 64P
表紙:NPホワイト200kg
本文:淡クリームキンマリ90kg
加工:クリアPP、変型断裁(天地A5・左右B6)
本文書体:リュウミン
使用ツール:Illustrator、Photoshop、InDesign
印刷:日光企画 様
シンプルだけどひと癖ある同人誌にしたくて作りました。
当初はB6正方形で考えていました。話の内容に対して可愛らしすぎるのと、そちらのサイズは以前やったことがあったので、せっかくならやったことがないもの……と思い、細長い短冊のような形をやってみたかったので採用しました。
高さがA5と同じ、幅がB6と同じというサイズ感です。
完全に独自のサイズにしてしまうと「慣れない、読みにくい」と思われる可能性もあるのを避けたかったので、定型同士の組み合わせにしました。
結果、文章一段あたりのブロックの高さも幅もちょうど良く仕上がったと思っています。同人誌の定番から外れすぎない、A5の2段組本と同じ感覚で読めるように出来たと思います。
本文書体はリュウミンです。クラシカルでないもの、温かみが少ないもの、現代らしいすっきりとしたクリアな印象のフォントにしたくて選びました。本文の内容と合わせると、クールで少し冷たそうな都会的な紙面に見えて良かったです。
以前に合同誌の印刷を依頼したことがあり、印刷や製本などとても綺麗だったのと、今回やりたかった「変型断裁でクリアPP」が選択しやすかったので、印刷は日光企画さんにお願いしました。
変型本の場合の原稿の作り方について問い合わせをした際も、左右ページでの原稿の作り方(余白の取り方)の違いをわかりやすく表現してくださって、大変助かりました。
データはA5で作るのか、もしくは仕上がりのサイズで入稿して中央から原稿を取るような形になるのか? とお伺いして「原稿はA5で作ってください」とのことだったので、入稿データはA5で作成しました。
加工としてはシンプルだと思うのですが、断ち切られる部分については自分でサイズを測ってテンプレを設定するしかないため、それが間違っていないかイベント当日スペースに行って箱を開けるまではどきどきでした。
話の内容から、暗色を全面にたくさん使いたかったので、今回はクリアPPをかけました。普段は特殊紙を使いがちで、質感を残したいから……ということでPPをかけないことが多かった(=剥がれてしまう場合などを考慮しないといけない場面もあった)のですが、今回は思いっきり色を乗せられたのが嬉しかったです。
色そのものは暗い表紙でも、表面フラットで、都会的なクリアで透き通った印象、でも尖ったようなスタイリッシュさがある、艶っぽい生々しい感じ……を出したくて、マットPPではなくクリアPPを選択していました。実際の本を手で持つと、ぬるぬると表面が動くように光るのが理想通りでした。
▼下書きとかラフ案とか
↑ B6正方形にしようか…と思っていた時のラフ(サイズ感が可愛らしすぎると思ったのでボツ)
▼余談
表紙の細い緩やかなカーブの線は「煙草の煙」、黄色の半月型の模様は「背中や腰に残った爪痕」のイメージでした。作中では煙草を吸うシーンは登場しないのですが、この話の坊は吸いそうだな……と思いました。
#装丁 #くりつる